登山用ザック(リュック)の選び方

〜肩が痛くならないザック(リュック)とは〜

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■ 失敗したくない人のザック(リュック)選び
 肩が痛い、鎖骨が痛い、腰が痛いとお悩みの方へ

 ザックを選ぶ際の決め手として、デザインやカラー、ブランド、価格、そして容量や使い勝手など、人により様々な要素があると思います。そしてこれらの要素に関しては、実際にザックを目にすれば容易に確認出来ることなので、思い違いや失敗などはそれほどないと思われます。
 では、ザックを選ぶ際の重要な要素である「背負いやすさ」についてはどうでしょうか?これに関しては、たとえ実際にザックを手にし、また試しに背負ったとしても、正しくザックを選べなければ確実に失敗してしまいます。そして、肩が痛くなる、鎖骨が痛い、腰が痛い、胸が苦しい、後ろに引っ張られる、手が痺れる、そしてザックが振られて安定しないなど、様々な苦痛や疲労へとつながります。このような「背負いづらいザック」を選んでしまわないためにも、ザックを正しく選ぶ事が必要です。

肩が痛くない背負い方
 では、正しいザック選び方のポイントですが、少なくても以下の4つは絶対に外せません。たとえば、どんなに有名なブランドでも、またどんなに高価なザックでも、以下の4つのポイントの内1つでも外していれば、実際にはさほど背負いやすくはないはずです。また、すでに使用されているザックの背負い心地に御不満がある場合、以下の1つまたは複数のポイントを外されているのではないでしょうか。
 もっとも、背負い心地は妥協してカラーやデザインなどを優先する選択も当然有ると思いますし、ザックを選ぶ際の価値観は人それぞれです。ただ、ザックの背負い心地に関しては良いに越したことは無いでしょうし、それを確認することは実は簡単に出来ます。
 

  1. 背中の長さとザックの長さが合っているか。
     <セロトーレの設計コンセプト>Q&Aで再三述べている通りです。背面長(バックレングス、トルソーレングスなどとも言います)が正しく合っていなければ、どんなに良いザックでも宝の持ち腐れとなります。でも実際には、背中の長さに対してザックの長さが短過ぎるケースが圧倒的に多いです。特に男性や背の高い女性にこの傾向が顕著です。2cm程度の違いは服の厚着や薄着の関係もあり問題有りませんが、5cmも違えば致命的です。逆に背中の長さよりもザックが長過ぎるケースも有りますが、この場合は2cmの違いでも致命的となりますので、特に小柄な女性は注意が必要です。
     靴の場合、ちょっとでもサイズが合わなければ履けませんが、ザックの場合は長さが合っていなくてもとりあえずは背負えてしまいます。でも背負えるのと、背負いやすいのとでは違います。腰の骨盤を包むように正しい位置でヒップベルトを締め、自分の背中とザックの長さが合っているかどうかを確認して下さい。
     
  2. 背面長の測定が誤差が生じやすい。
     近年では、ザックを選ぶ際に背面長を測定するケースが見受けられるようになりました。これはとても良い傾向だと思います。ただ、身長の測定とは違い、背面長の測定では測り方や測る人により結構な誤差が生じているのも事実です。そして、実際よりも2cm〜4cm短めな測定結果が多いようです。これは測定箇所が曖昧なことと、背面長の概念が必ずしも統一されているわけではない、などの理由が挙げられます。
     また背面長が同じ50cmと表示されたザックでも、メーカーの考え方の違いやヒップベルトの形状や幅により、意外と違いがあるのも事実です。数値は目安くらいに考えれば良いかと思います。
     
  3. 本当に荷重分散が出来ているか。
    肩が痛くない背負い方
     登山用ザックの説明で、「荷重を分散する」とか「ヒップベルトにより腰で荷重を支える」などの文言をよく目にします。もし本当にそのようになっていれば当然ながら肩への負担も軽くなり、肩の疲労や痛みなどを心配する必要は有りません。逆に荷重を分散出来ていなかったとしたら、全荷重を肩だけで背負うことになり、確実に肩の疲労や苦痛へとつながります。
     ここで重要になってくるのがヒップベルトの機能です。今時の登山用のザックは必ずと言って良いほどヒップベルトを備えていますが、まずはそのヒップベルトが本当に荷重を支えられるかどうかを確認する必要が有ります。それは実に簡単なテストで確認出来ますので、ザック選びで失敗したくなければ是非試して下さい。
     まず、普通にザックを背負って下さい。つまり骨盤の位置でヒップベルトを締め、ショルダーハーネスを引き、トッププルも引いてザックを体に引き寄せます。これで準備完了です。次に、ショルダーハーネスだけを緩めて下さい。ザックはどうなりましたでしょうか?
     もし正しく設計されたザックならば、きちんと腰で荷重を支えられる構造になっているのならば、たとえショルダーハーネスを緩めても、ザックはヒップベルトだけで自立しているはずです。この状態では肩に一切の荷重はかかっていませんので、肩は絶対に疲れません。逆に、もしザックが後ろに倒れてしまったら、そのヒップベルトに荷重を支える機能は有りません。単なる揺れ止めです。どんなにヒップベルトを強く締め付けても、ただ腰が痛くなるだけで全く意味はありません。このようなザックの場合、荷重を分散することが出来ず、結局のところ全ての荷重を肩で背負うことになり、確実に疲れます。実際に使ってみて背負いづらく感じるザックは、このような後ろに倒れてしまうザックです。
     
  4. 生まれついたザック本来のバランス
     ザックを背負っていて、重さで後ろに引っ張られる感じって嫌ですよね。そうなると、トッププルなどの調整を強く引かなければならず、その結果として胸が圧迫され、窮屈で息苦しい背負い心地になってしまいます。また後ろに倒れまいとバランスを取るため、より前傾姿勢を取らなければならず、腰も疲れます。これには3つほどの原因が考えられます。
     まずはパッキング、要するに荷物の詰め方の問題。あるいは調整などの背負い方の問題。でも、これらの問題は気付けば簡単に修正出来ます。そして最後は、生まれついたザック本来のバランスです。ザックのバランスとは、そのボディ形状やフレームなどの構造、つまり基本設計によりほぼ決まってしまいます。残念ながら生まれつきバランスの悪いザックは、何をやってもバランスが悪いので、確実に後ろに引っ張られます。
     このザックのバランスですが、[3] のテストで同時に確認出来ます。つまり後ろに倒れるということは、荷重分散が出来ていないだけでなく、ザック本来のバランスも悪いということです。もっともバランスが良いか悪いか、ザックの形状から一目で分かってしまいます。たとえば横から見て厚みのあるボデッとした形状のザックや、通気のために背中に空間のあるザックなどは、荷重が背中から離れてしまうため、どうしても後ろに引っ張られてしまいます。もちろんザックのバランスは形状だけでなく、フレームなどの基本構造にもよりますが、形状だけで言えば厚みを抑えた縦長のザックの方がバランスは良くなります。これは尾瀬のボッカの方の荷物の積み方を見ても分かります。
     
  5. ショルダーハーネスが肩に合っているか。
     ザックにより、ショルダーハーネスのカーブや長さ、また幅や左右の間隔、さらには縫い付け角度など正に様々です。当然ながら自分の肩や胸板にそれらが合っているかどうかは、背負い心地の上でもとても重要なことです。しかし、ピッタリのショルダーハーネスを見つけることは、現実には簡単ではありません。実際のところ、多くの方が正しくない選択をされているように見受けられます。
     その理由として一番に「欧米人と日本人の体型に違い」があげられます。欧米ブランドのザックは、欧米人の肩幅や胸の厚みを基準にショルダーハーネスをデザインしていますので、当然ながら一般的な日本人に合うはずが有りません。背中の背面長は、S、M、L等のサイズや調整システムにより合わせることは可能ですが、ショルダーハーネスに関しては自由に選べるようにはなっていません。
    ショルダーハーネスの説明1

    基本的にショルダーハーネスが肩幅に対して広過ぎています。重さがかかれば、さらにショルダーハーネスは広がりますので、当然ながら胸のチェストストラップで引き寄せなければ背負えません。

    ショルダーハーネスの説明2

    チェストストラップで左右のショルダーハーネスを強く引き寄せ、正しい位置にしました。一見問題なく見えますが、強く引き寄せていますので胸周りが圧迫され、バストにも干渉していますので、長時間この状態ではかなり窮屈でしょう。また、腕も振りづらそうです。

    ショルダーハーネスの説明3

    セロトーレのBCショルダーハーネスです。元々正しい位置にショルダーハーネスがありますので、実際にはチェストストラップをする必要などないくらいです。
    また、特殊なカーブによりバストをかわしていますので、胸周りがスッキリし窮屈感がありません。そして、ショルダーハーネスが腋の下へに自然に入り込み、腕の振りを妨げません。

     具体的に多い例として、背負う人の肩幅に対してショルダーハーネスの左右の間隔が広過ぎるケースです。ショルダーハーネスが肩の中央部でなく、肩の外側にかろうじて引っ掛かっている感じのことです。お店でザックが軽い状態で背負った時には気にならなくても、実際の重さになれば肩に相当な負担がかかります。だからと言って、無理やりチェストストラップでショルダーハーネスを引き寄せようとすれば、今度は胸周りが苦しくなります。
     また、ショルダーハーネスのカーブが胸周りに合ってないケースも多いです。 特に女性の場合は、バストとの兼ね合いもありますので注意が必要です。他にはショルダーハーネスが干渉して、腕の振りを妨げているケースも多いです。さらには、ショルダーハーネスが長過ぎるとかです。
     実は腰などに上手く荷重分散されずザックを肩だけで背負っていても、ショルダーハーネスが綺麗に肩と合っていれば、意外と苦になりません。いずれにせよ、細身の男性や華奢な女性などは特に注意が必要です。欧米ブランドの場合、女性モデルでも基本的には欧米の女性の体型がベースです。
     

 お店でザックを選ぶ際、いろんなザックを試しに背負ってみることは良いことです。 ただし何でもそうですが、良い物を選ぶにはコツとかポイントがあります。しかしながら、ただ漠然と背負い比べている方が非常に多いように見受けられます。たとえば、あるザックを10分間お店で背負い続けて感触が良ければ問題は無いのでしょうか? そのような判断はまちがいです。ですからザック選びで失敗してしまうのです。 実際の登山では、重たくなったそのザックを何時間も背負い続けなければなりません。 そして、疲労とは時間とともに蓄積されていきます

カラーやデザインなどの流行は、時代とともに絶えず変わっていきます。しかし「背負いやすさ」の本質は、いつの時代でも同じ、不変です。10年前に背負いやすかったら、今も背負いやすく、10年後も背負いやすいはずです。 
 ザックを選ぶ際、前述の4つのポイントを是非チェックしてみて下さい。1つのザックをチェックするのに2分とかかりません。是非とも背負いやすいザックを選んで下さい。

■ 登山用ザック(リュック)のおかしな常識
 「登山 ザック おすすめ」で検索する前に

 世の中には、どう考えてもおかしなことが常識としてまかり通っていることが多々あります。残念ながら登山用のザックに関しても、おかしな常識が幾つか存在します。 業界では暗黙の了解となっていても、消費者がそれらを真に受けるとザック選びに失敗してしまいます。
 

  1. いい加減な容量表示
     30リットル、40リットル、50リットルと、ザックの容量(大きさ)をリットルで表示しています。常識では50リットルは世界中のどこに行っても同じ50リットルです。たとえば日本で50リットルの水が、他の国で40リットルと言われることはありません、これ常識です。でも、ザックではこの常識が全く通用しません。
     同じ50リットルでも、ブランドにより実際の容量は全然違います。あるブランドの50リットルのザックが、他のブランドの40リットルより小さい、そんなことが当たり前にあります。よくネット上でカタログデータを集め、同じ50リットルで重量や価格をブランド別に比較されている方がいらっしゃいますが、全く意味のないことです。なぜなら前述のとおり、同じ50リットルでも大きさが全く違うからです。データでは一番軽いザックが実はただ単に小さくて、50リットルどころか40リットルより小さいかも知れません。
     いずれにせよ、かなりいい加減な容量表示をしているザックも多いのが現状です。せっかく購入したのに、思ったよりザックが小さくて荷物が全部入らない、何て話は珍しくありませんので注意して下さい。
     
  2. 軽いザックの弊害
     「軽くて背負いやすい」などの表現を目にしますが、UL(ウルトラライト)に代表されるような軽さを最優先して作られたザックで、背負いやすいものは絶対にありません。もちろん軽量なザックを否定するつもりはありませんし、特殊な用途やごく限られたストイックな方達にとっては確かに有意義な道具でしょう。ただ、あくまでも特殊なケースであって、一般的な登山に於いて軽量なザックは「背負いづらく、使いづらく、壊れやすい」だけで、何らメリットは無いと思います。もっとも、重いだけで背負いづらいザックも珍しくありませんので、それらと比べたら軽い分だけマシと考えることも出来ます。
     実際のところ、軽量なザックは特殊な素材等で軽くしているのではありません。たとえば軽量なトレッキングポールはアルミではなくカーボン製です。軽量なコッヘルはアルミではなくチタン製です。つまり軽く強度の高い特殊な素材により、機能を落とすことなく軽量化を実現しています。しかし軽量なザックは基本的に同じナイロン製で素材による軽量化は不可能です。単に、フレームやパッドにプレートなど本来あるべき構造物を省いたり、ポケットなどの機能を省いて軽くしているだけです。住宅で言えば柱や耐震補強を省いたり、断熱材を省いて壁を薄くしたり、収納が無いなど省力化して建てたような家です。とりあえずは住めるでしょうが、そのような家が住みやすいはずありませんよね、軽量化されたザックとはそれと同じです。軽さと背負いやすさとは全く別の要素です。
     「軽さ」は重要な要素であることは間違いありませんが、それはあくまでも「背負いやすさ」などの機能や「実際の容量」などが同じであれば、という条件が満たされている場合のみです。 軽ければ「背負い辛くても構わない」とか、「表示された容量より小さくても構わない」、などとは普通は思わないですよね。
     例えば「てこの原理」では重量と支点からの距離となりますが、「背負って軽いザック」の場合、重量以外に背負った時のバランス、体が振られない安定感、背面長以外にも肩幅や胸板などの体型に合っているか、また適材適所の素材が使用されているか、などなど様々な要素が揃っていなければなりません。
     実はザック自体の重量は、さほど重要ではありません。たとえば2kgと3kgの2つのザックがあったとします。それだけで比較すれば大きな違いですが、もし、それぞれに10kgの荷物を入れたら12kgと13kgになり、その違いはもはや誤差の範囲内程度となります。
     いずれにせよ「背負って軽いザック」かどうかは、ショルダーハーネスを緩めて「倒れるか倒れないか」で簡単に見極めることが出来ます。倒れてしまえばザックの自重に関わらず、バランスが悪く山で後ろに引っ張られるザックと言えます。山で後ろに引っ張られて良い事などは何もありません。危険です。
    背負うと軽いザックと単に重量の軽いザックとは違う  重量(軽さ)を意識してザックを選ぶことはまちがいではありません。ただ、軽さを最優先にしてザックを選ぶことはまちがいです。あくまでも、背負いやすさなどの基本的な機能が確保された上での軽さは重要ですが、ただ軽いだけでは意味ありません。どうしても軽いザックを使いたいのであれば、まず荷物を吟味して徹底的に軽量化することです。コストはかかりますが、装備をカーボンやチタンといった素材の物にしたり、食料をフリーズドライにしたり、そして割り切って背負い心地には目をつむることです。「軽くて背負いやすい」などのセールストークを真に受けると失敗します。
     そもそもザックの自重の重い軽いに関わらず、「背負うと軽いザック」や「肩や鎖 骨や腰の痛くならないザック」などの「背負いやすいザック」は、本来しかるべき科 学的根拠に基づいて作られております。そうでなければ単に「軽そう」、「痛くな らなそう」、「背負いやすそう」などのイメージだけのザックです。
     
  3. 「重し」をいれてザックを選ぶ
     お店でザックを選ぶ際、「重し」を入れて背負い心地を確認することがあります。
     たとえば30リットルのザックで実際の想定重量を7kg前後として、実際に7kgの重し入れる場合です。一見ザックを慎重に選んでいるようですが、意外にもこれがまちがった判断材料になったりします。
     通常の登山の装備の中で重量物と言ったら、やはり水やガスのカートリッジなどの液体です。その他の食料や衣服、道具など、さほど重たい物ではありません。もっとも容器を含めた水でさえ、極端に重たいわけではありません。ですから、実際の荷物では極端な重心が出来ません。しかし荷物の代わりに7kgの鉄のウェイトをドンと入れたらどうでしょう。同じ7kgの重さでも、この場合は極端な重心が出来てしまいます。さらにウェイトの入れる向きや場所により、全く重心が変わってしまいます。つまり背負い心地を判断する上で、必ずしも有効な判断材料にはなりません。
     要するに重しを入れてザックを試す場合、重しの種類や入れ方などを考えて、不自然な重心が出来ないように注意をする必要があります。ただ重しを入れれば良い訳ではなく、下手に入れるくらいなら、新聞紙などを丸めて詰めていた方が、むしろ正しく背負い心地を判断出来ます。
     
  4. 女性は女性用のサイズを背負う
     今では女性用、男性用と性別にサイズ分けしているザックも珍しくありません。これは消費者にとっては親切なことだと思います。でもその結果、残念な誤解が数多く生じていることも事実です。
     一言で女性と言っても、いろんな体型の女性がいらっしゃいます。では女性ならば、必ず女性用のサイズを選ぶべきなのか?そんなことはないです。それはまちがいです。
     たとえば背の高い女性や、スポーツなどをやられて逞しい女性などは、積極的に男性用のサイズを試してみるべきです。きっと女性用のサイズよりもフィットするはずです。
     でも現実は、非常に多くの女性の方が、実は全く体型に合っていない小さ目な女性用のサイズを背負われています。絶対に背負いやすくはないはずです。女性用とか男性用とかは表現の仕方であって、単なる目安です。トイレのような厳格な区別ではありません。あくまでも自分の体型に合うサイズを選び、それがたまたま男性サイズと表記されていたとしても、何ら気にする必要はありません。
     
  5. 男性でも日帰りなら20リットルから25リットル
     よく日帰りなら20リットルから25リットルとか、小屋泊まりなら30リットルから35リットルなどと、山行によりザックの容量を決めたりします。実際にそれらの容量で基本的に問題はないでしょうし、特に小柄な女性ならば完璧な選択とも言えます。では、身長が170cm前後の一般的な男性だったらどうでしょう。
    日帰りなら…1

    正に大人がランドセルを背負ったような状態です。たとえ荷物が少なくても、背中に全く合っていない小さなザックを使う必要はありません。

    日帰りなら…2

    背中に合った大きめなザックを薄くして使いましょう。ザックは薄ければ薄いほど荷重が背中に近くなるので、より背負いやすくもなります。

     日帰りコースなどで、20リットルくらいのデイパックをパンパンに膨らませて背負っている背の高い男性をよく見かけます。まるで大人がランドセルを背負っているみたいで、傍からみても窮屈そうですし、スマートにも見えません。もしそれしか持っていないのならば、別にそれでも良いと思いますが、30リットルとか35リットルなどの一回り大きなザックを持っているのに、日帰り用にわざわざ20リットルのザックを購入したのだとしたら、実にもったいない話です。
     ザックは何もパンパンに詰めて使う必要はありません。たとえば35リットルのザックに20リットル分しか荷物を入れなくても別に構わないのです。そのためにサイドコンプレッションのストラップで、ザックの厚みを薄くして容量を調整出来るようになっているのです。このように一回り大きなザックを使用した方が実際に背負いやすいですし、見た目にもスマートです。
     スーツケースなどは大きさを調整出来ませんので、少ない荷物のために大きなスーツケースを使うことは合理的ではありません。でも、ザックは容量をいくらでも調整出来ます。ですから特に男性は、無理して小さなザックを背負うのではなく、背面長のあった背負いやすいザックを、容量を調節しながら使って下さい。「大は小を兼ねる」とも言いますから。

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