登山用ザック(リュックサック)の「あるあるネタ」

登山用ザック(リュックサック)に関する皆さんの疑問にお答えします。

■ index
 


■ 登山用ザック(リュックサック)の「あるあるネタ」

 ザックに関して、実は多くの方が疑問に思われている点が幾つかあります。店員さんの説明では今一つ釈然としない、とりあえず納得したことにしている、仕方なくそういうものだと思っている、などと何となくモヤモヤしているような事があるようです。ここでは、そのような不可解な点について是非スッキリしてもらえるよう、説明させて頂きます。

  1. どのザック(リュックサック)も同じ容量表示だけど、本当に同じ大きさ?
    並べてみると大きさが全然違うけど、本当に同じ容量が入るのだろうか?


     「いい加減な容量表示」でも述べましたが、同じ30ℓ あるいは40ℓ 、60ℓ と表示されたザックどうしでも、並べてみると大きさがかなり違います。ザックの世界では、「同じ30ℓ でもメーカーによって測り方が違うので、実際の大きさは違う」などの説明をよく聞きます。実におかしな論理です。たとえ測定方法がメーカーにより違っていたとしても、それぞれが理に適った測定方法ならば、当然同じ結果になるはずです。
     飲料水のペットボトルを購入する際、「同じ2ℓ でもメーカーによって測り方が違うので、実際の容量は違う」で納得されるのでしょうか。ガソリンを入れる際、「同じ30ℓ でもガソリンスタンドによって測り方が違うので、実際の量は違う」、お米を購入する際、「同じ10kgでも、銘柄によって測り方が違うので、実際の量は違う」などの説明は常識では通用しないはずです。でもザックの世界では、容量表示は単なる目安だとして通用しているようです。
     確かにザックの形状は単純ではありませんし、ポケット等もあります。 また通常は容量表示も5ℓ 刻みとキリのいい数字(25ℓ 、30ℓ 、35ℓ ・・・)にするため目安程度と、元々それほど正確な数字ではありません。 
     ただ、表示されている容量より1割ほど小さい(表示より大きなザックはまず有りません)程度なら目安の範囲としても、2割どころか3割以上も小さかったとしたら、もはやその容量表示は優良誤認です。ですが残念ながら3割前後も小さいザックが普通のようです。だから思ったよりも荷物が入らないのです。 
     ネットや雑誌の写真などでは、実際のザックの大きさなど分かるはずありません。たとえば、本当は30ℓ の容量しかないザックを正しく「30ℓで1,500g」と表示するよりも、「40ℓ で1,500g」と表示した方が軽く見えます。また、「30ℓ で¥20,000」と表示するよりも「40ℓ で¥20,000」と表示した方が安く見えます。つまり、実際の容量よりも大きく表示した方が軽く安く見えるのです。最初からそれを狙ったとは言いませんが、結果としていい加減な容量表示が優良誤認となってしまっているのは事実です。
     たとえば、このように考えてみれば、本当のザックの容量が分かりやすいと思います。2ℓ のペットボトルをイメージして、それが15本程度入りそうなら本当に30ℓ 前後の容量がある、と言えます。しかし、どう見ても10本程度しか入らなそうならば、実は20ℓ 前後の容量しかない、と判断出来ます。
     
    図
     
     同様に40ℓ と表示されたザックなら、20ℓ のポリタンクが2個、60ℓ と表示されたザックならポリタンクが3個は入りそうなはずです。もし2個は入ったとしても、3個はとても無理そうだとしたら、実は50ℓ の容量すらない、と言えるでしょう。
     
    図
     
     つまり、そのような表示よりも実際の容量が2割〜3割も小さいザックは、たとえ重量が軽くても価格が安くても、数字上はそう見えるだけの優良誤認と言えます。実は軽くも安くもない、ただいい加減な容量表示で軽い、安いと錯覚させられているだけです。
     
     ちなみにセロトーレのザックは、表示通りの容量が確実に入るよう設計しています。つまり正しく容量表示をしています。
     たとえば、30ℓ のアイビスは他社の40ℓ よりも大きいです。35ℓ のスプリンガーは、他社の50ℓ と同等の大きさです。60ℓ のパンサーは、他社の80ℓ クラスと同じ大きさです。でも、それはセロトーレが大きいのではなく、正直な容量表示をしているだけです。だから、セロトーレのザックは重く見えるのです。実際に、他社の3割前後大きい容量表示をしているザックの重量と比べたら、決して重たくはないはずです。
     ザックを選ぶ際に、軽さや価格は非常に重要な要素です。ですがネットやカタログで重量や価格の数字を拾い、同じ容量の複数のザックを比較検討することは意味がない、と言うよりもナンセンスです。容量表示の数字が同じだけで、残念ながら実際の容量、大きさは全然違うからです。
     たとえば小屋泊だと30ℓ 〜35ℓ の容量が丁度良いなどと言われます。だからその容量表示の範囲で、なるべく軽いザック、安価なザックを選んだら実は20ℓ 程度の容量しかなく、小屋泊に必要な装備が全部入らない、などはよくある話です。テント泊用の大型ザックにしても同様で、容量表示には注意が必要です。
     
     
  2. ザック(リュックサック)を背負っていると、何故かヒップベルト(ウエストベルト)がズリ上がってきてしまう、どうもしっくりこない・・・。

     ザックを背負い歩き始めると、或いはちょっとした段差で脚を上げたりするとヒップベルトがすぐにズリ上がってきてしまう、これはよくあることですが、実に鬱陶しいものです。せっかく正しいポジションで背負ったと思ったのに、すぐに崩れてしまうのですからね。理由は大きく分けて二つ有ります。
     まずは単純に背面長が合っていない、背中の長さに対してザックの背面長が短過ぎるのです。お店でそのザックを試した際は、フィッティングも含めて何ら問題なかったのに何故でしょう。背面長が長すぎる場合は誤魔化せませんが、短か過ぎる場合であれば、一時的には簡単に誤魔化すことが出来ます。ヒップベルトをグゥッと下側に引き下げ、正しい位置で締め付け固定すれば、一時的には誤魔化せます。そうして背面長は合っている、と勘違いしてしまうのです。ただ、元々背面長が短い(足りない)わけですから、荷物を入れて100mも歩くうちにズリ上がってきます。
     二つ目として、これが本来の理由なのですが、ヒップベルトが荷重を支える構造になっていない、ということです。前述の「本当に荷重分散が出来ているか」や動画「失敗したくない人のためのザックの選び方」で説明しましたように、ショルダーハーネスを緩めるとヒップベルトで荷重を支えられずに後ろに倒れてしまうザックは、逆にいえば絶えずショルダーハーネスやトッププルを引っ張ってザックを体に引き寄せていなければ背負うことが出来ません。
     要するにショルダーハーネスを強く引かなければならない、つまりザックを引き上げる、ザックがズリ上がる、必然的にヒップベルトもズリ上がる、ということになります。
     当然その過程でヒップベルトから荷重が抜け、全荷重が肩にかかってしまいます。だから肩や腰が痛くなってしまうのです。セロトーレなら、そのような心配をする必要はありません。しっかりとヒップベルト(ウェストベルト)が荷重を支えてくれます。だからショルダーハーネスなどを強く引っ張る必要などありません。軽くそえる程度で十分です。
     
     
    何故ヒップベルト(ウエストベルト)がズリ上がってしまうのか?
    図1.ザックが後ろに倒れ、体が後ろに引っ張られてしまう。
    2. 倒れるザックを体に引き寄せようとするため、ショルダーハーネスやトッププルを引かなければなりません。ショルダーハーネスなどを引く、ということはザックを引き上げる、つまりザックがズリ上がってしまいます。
    3.ザックがズリ上がる、ということは結果的にヒップベルト(ウェストベルト)も当然ズリ上がってしまいます。
     
     要するに、ヒップベルトで荷重を支えられないザックは、必然的にヒップベルトがズリ上がってしまうのです。そうなると、ヒップベルトから荷重が抜け、全荷重が肩にかかってしまい、肩や腰の痛みの原因となってしまいます。
     
     
  3. ザック(リュックサック)を背負っていると、何故か肩だけでなく腰も痛くなる。腰痛持ちに楽なザック(リュックサック)とは?

     ザックを背負っていると、肩だけでなく、腰までも痛くなる方は少なくありません。普段から腰痛でお悩みの方には特に辛いことだと思います。 ヒップベルトにより腰(骨盤)で荷重を支えられなければ全荷重が肩にかかるので、肩が痛くなるのは当然として、ここでは腰の痛み、腰痛がおこる理由について説明致します。
     下の図のように、肩でザックを背負うと両肩にかかった全荷重が背骨の付け根、つまり腰一点に集中します。だから腰も痛くなるのです。また重心が肩の位置、つまり高重心になり上半身が振られやすく不安定になりますので、それを支えようと、さらに腰への負担が大きくなります。
     
    肩でザックを背負った場合、赤線のように肩から下の全身に荷重がかかります。
    図

    ㋐ もし重さ10kgのザックを肩で背負ったとしたら、単純に左右の肩に5kgずつの荷重がかかります。それで肩が痛くなります。また、人によっては肩だけでなく首も痛くなったり、腕が痺れたりすることもあります。
    ㋑ 左右それぞれの肩にかかった5kg、計10kgが背骨を通じて背骨の付け根、つまり腰一点に集中してしまいます。それが腰痛、腰の痛みや疲労の原因です。肩でザックを背負う場合、腰一点に最大の荷重がかかるのです。
    ㋒ 肩から足の裏まで、つまり全身に10kgの荷重がかかってしまいます。

     セロトーレは骨盤で荷重を支えられるので、下の図のように上半身、肩や腰には一切荷重がかかりません。荷重がかかるのは骨盤から下、下半身のみです。また、重心は腰(骨盤)の位置、つまり低重心になり非常に安定した背負い心地となります。当然腰への負担は無く、腰の痛み、腰痛から解放されます。
     
    腰(骨盤)でザックを支えた場合、赤線のように荷重がかかるのは下半身のみです。 図

    ㋓ セロトーレの場合、重さ10kgのザックを背負ったとしても、腰(骨盤)で完全に荷重を支えられるので、肩や上半身にかかる荷重はゼロ、つまり荷重はかかりません。よって、肩が痛くなることはありません。両肩に荷重がかからないということは、背骨や背骨の付け根、腰にかかる荷重もゼロ、つまり荷重はかかりません。よって、ザックを背負うことに起因する腰痛、腰の痛みや疲労から解放されます。
    腰(骨盤)で支えた左右の合計10kgは、そのまま両脚、下半身にのみかかります。上半身には一切の荷重はかからず、何も背負っていない状態と同じです。全身に10kgかかるのと、下半身にのみ10kgかかるのとでは、どちらが楽なのかは明白です。だからセロトーレは肩や腰が痛くならないのです。
     
     
  4. 背面長がサイズ別と調整式、どっちのタイプのザック(リュックサック)が良い?

     ザックの背面長には、大きく分けてサイズ別と調整式の2種類があります。どちらが良いかは一長一短で一概には言えません。ただ、一般的にサイズ別はS、M、Lなどとなっており、通常は5cm刻みです。たとえば背面長がSは45cm、Mは50cm、Lは55cmといったサイズ分けになります。 
     この場合、47cmの方はどうすればいいのでしょう。53cmの方はMとL、どちらにすべきでしょうか。 服でもよくありますが、丁度良いサイズがなく中間が欲しい、などのケースは多々あるはずです。また、夏のTシャツと冬の厚着とでは背面長を変えたくなることもあるでしょう。このような場合を考えると、やはり調整式は便利です。
     もっとも、調整式と言っても様々なタイプがあり、中には微調整が出来なかったり、調整方法が複雑だったり、重たくなったりと、デメリットも考えられます
     その点セロトーレは、「VAVシステム」「EAVシステム」の2種類の調整システムを用意していますが、共にシンプルな構造により調整方法がとても簡単で微調整も出来ます。
     
     
  5. ヒップベルト(ウエストベルト)を締める正しい位置は?

     セロトーレの考えるヒップベルトを締めるべき正しい位置は「疲れない楽なザック(リュック)の背負い方」にある通りです。まさにヒップベルトで骨盤を包み込むように締めるわけです。それは一般的に言われている位置よりも少々下かもしれませんが、腰(骨盤)でしっかり荷重を支えるためにも、この位置は重要です。一般的にはセロトーレの考える位置よりも少々上で締めるようですが、それだと腹部を圧迫してしまうし、ズレやすく安定しないと考えております。 
     セロトーレの考える正しい位置は、まさに男性の浴衣の帯の位置と同じです。
       

-
back NEXT

セロトーレジャパン
〒277-0861 千葉県柏市高田77-9
TEL:04-7147-2855(AM10:00〜PM6:00)
Eメール:cerrotorre-japan@nifty.com
Copyright © 2018 CERRO TORRE JAPAN INC. All Rights Reserved.

HOME What's CERRO TORRE LINE UP MailOrder 直営ネットショップ